2012年1月24日火曜日

「権兵衛」仕込みの「とりかわ」

 「権兵衛」の「とりかわ」をご存知だろうか? 焼鳥屋には必ず「かわ」というメニューはあるが、同じ「かわ」でもここのオリジナルの「かわ」は特別。首の肉を串にぐるぐると巻き、タレをつけては焼き、つけては焼きを6日間繰り替えし、ようやく店で出せる状態になる。通常の「かわ」とはまったく別物の「かわ」は脂が落ちて、その香ばしさとタレの甘辛さが絶妙で、「かわ」嫌いの人でもここのはヤミツキになる。
 きのう行った「かわ屋」はその「権兵衛」出身の店主が白金に作った店の2号店。ともかく人気で、いつも満席。きょうも行く前に電話して席を確保したからなんとか入れたものの、テーブルとテーブルの間は、これでスタッフが通れるのかというほど狭く、椅子と椅子の間隔も極限まで狭い。しかし、このギュウギュウ感こそ「かわ屋」なのだ。店主が修行した薬院の「権兵衛(現「粋恭」)も、そんな感じだったので、おそらくあえてこんなふうにしているのだと思う。1組帰ると、店主は携帯でどこかで待ってる予約客に電話する。そして数分後、その客が現れてまた席が埋まる。これの繰り返しなのだ。いやはや恐るべし。
 席につくとまず「生2つ」とドリンクを注文。そして続いて「かわ15ね」と「かわ」の本数を伝える。それからメニューを眺めつつ他の焼き物や料理を改めて注文する。これがいつの間にかできあがったここのシステムだ。そもそも普通の焼鳥屋だったらかわはせいぜい2本くらいだと思うのだが、ここでは1人10本は当たり前。実はぼくも最初に2人で15本頼んだ後、さらに5本追加した。
 「かわ」以外にも「しぎ焼き」(ささみを軽く焼いて辛子醤油でいただく)など、食べたいものがてんこ盛り。ぼくは「しぎ焼き」「つくね」「サガリ」「厚揚げ」を注文。
 次から次にお客はやってくるので、満足したら長居せず「計算してください」と告げたい。そうすると、これも「権兵衛」と同じく鶏スープがサービスで出てくる。それを飲んでる間に計算が終わり、目の前にきて、注文したものを1つ1つ読み上げ「全部来ましたか?」と聞いてくれる。この対面でのアナログな会計がまたいいのだ。実はかなり久しぶりに来たのだが(しょっちゅう来たいんだけど、なにせ多いので)やっぱり「かわ屋」は最高だ。また、来ます。


かわ屋 警固店
福岡市中央区警固2-16-10 吉武ビル1F
092-741-4567